ED（勃起不全）とは
ED（勃起不全）とは、性行為の際に十分な勃起が得られない、あるいは勃起を維持できない状態を指します。年齢や生活習慣、心理的要因、疾患などが影響して発症することがあります。
原因
EDが起こる原因は大きく分けて以下の4つです。
- 心理的要因
- 身体的疾患
- ライフスタイル
- 心理的・身体的要因の複合
心理的要因によるED
心因性のEDにおいては、器質的機能自体に障害は認められません。性交に対する過度な緊張や不安、あるいは過去の心的外傷（トラウマ）などが心理的負荷（プレッシャー）となり、勃起不全を誘発することがあります。軽微な契機により症状が改善される事例も見受けられますが、一方で心理的負荷の増大に伴い、症状が悪化する危険性も存在します。
身体的疾患に起因するED
勃起は血流が深く関わっています。糖尿病や高血圧、神経系の障害、泌尿器系疾患などが影響すると、勃起機能が低下してEDを引き起こすことがあります。
ライフスタイルに起因するED
加齢に伴い、体力および血流機能は徐々に減退いたします。30代以降においては、過度の疲労、睡眠不足、飲酒の過剰摂取などの生活習慣が勃起機能に影響を及ぼすことが確認されています。
これらの身体的要因が心理的負荷と複合的に作用することにより、EDが増悪する事例も散見されます。
複合的なED
身体的な問題と心理的なストレスが重なることでEDが悪化するケースもあります。この場合、身体的な治療と心理的ケアの両方が重要です。
自慰が原因になるED
自慰行為がEDに影響を及ぼす可能性もございます。脳が快感を認識するメカニズムにより、勃起を伴わない射精を反復した場合、脳が「勃起は不必要である」と誤って認識することがあるためです。勃起状態における射精を意識的に行うことが、症状の改善に寄与する場合があります。
主な症状
EDの症状は以下の通りです。
- 性行為時に勃起できない
- 勃起が持続しない
- 勃起の硬さが不十分
症状は年齢とともに現れることが多いですが、20～40代でも心理的ストレスによりEDになる方も少なくありません。
検査・診断
EDの診断ではまず問診で症状や心理的要因を詳しく確認します。必要に応じて血液検査、画像検査、勃起機能検査などを行い、身体的原因の有無も調べます。
治療
EDの治療は、まず関連する生活習慣病や基礎疾患の改善から着手いたします。それに加えて、必要性が認められる場合には、ED治療薬を処方し、自然な勃起を補助いたします。また、心因性の要因が介在する場合は、カウンセリングを通じた心理的アプローチも並行して実施いたします。
治療経過の個人差
ED治療の効果には個人差があります。短期間で改善する方もいれば、長期間取り組んでも症状が残る方もいます。焦らず、医師と相談しながら継続することが大切です。
自然治癒の可能性
日常生活の中でストレスが少ない場合、EDが自然に改善することもあります。ただし、すべての方に自然治癒が起こるわけではありません。
まずは相談を
EDは、男性にとって極めてデリケートな症状であり、単独で苦悩される患者様も少なくありません。しかしながら、早期にご相談いただくことで、適切な治療方針および指導を受けることが可能となります。ご友人やご知人へ打ち明けにくいと判断される場合には、当クリニックへお気軽にご相談ください。
治療薬について
ED治療薬は主に以下の2種類です。
- バルデナフィル
15分で効果が出る超即効型。持続時間は5～8時間。食事の影響を受けにくい特徴があります。 - シアリス
30～60分で効果が出て、持続時間は36時間。副作用は比較的軽めで、食事の影響も受けにくい薬です。
副作用と注意点
主な副作用には、ほてり、動悸、頭痛、目の充血などがあります。血管拡張作用により血圧が下がることもあるため、降圧剤服用中の方は内服前にご相談ください。