しみ・そばかす・ほくろとは
- しみ(色素斑):主に紫外線の影響や加齢によって、肌の浅い層にあるメラニン色素が過剰に沈着した状態です。
- そばかす(雀卵斑):遺伝的要因が強く、小さくて薄い斑点が顔全体に散在する特徴があります。
- ほくろ(母斑):メラニンを作る母斑細胞が特定の場所で増殖してできるもので、平らなものから盛り上がったものまでさまざまです。
原因とリスク
- 色素性病変の主な原因は、紫外線(UV)によるメラニン生成の促進です。
- そばかすは遺伝的要素が強く、家族に同じ症状がある場合が多いです。
- ほくろ(母斑)は非常に深い部分に色素を持つことがあり、QスイッチYAGレーザーなどの治療でも1回で完全に消えないケースがあります。
- また、レーザー治療は炎症後色素沈着などのリスクがあり、有色肌(日本人など)では特に注意が必要です。
レーザー治療の仕組み
- QスイッチYAGレーザーとは、532 nm と 1064 nm の2波長を使い分けられるレーザー機器です。
- ナノ秒という非常に短いパルス幅で高いピークエネルギーを与えることにより、メラニン色素(濃い部分)を選択的に破壊できます。
- この方式により、正常な皮膚組織へのダメージを最小限に抑えられる安全性が高い治療です。
しみの種類と治療方法
しみの原因
シミは長年の紫外線(光老化)、ストレス(ホルモン・体内バランスの崩れ)、誤ったお手入れなどにより、出来た老人性色素斑が高頻度ですが、脂漏性角化症、肝斑、そばかす、色素沈着製皮膚炎等が混在した褐色性色素斑の総称として用いられているのが現状です。
さまざまなシミに対して、原因や大きさ、深在度、形態などでレーザーや光治療を組み合わせて丁寧に治療していきます。
しみの種類と治療方法
老人性色素斑(しみ)
通常のシミは日焼けによる顔面、手背などの露出部に見られる褐色あるいは黒色の境界明瞭な色素斑で、特に中年以降に発生してくるものは老人性色素斑と言われるものです。紫外線でダメージを受けたお肌にある細胞は自身を防御する目的でメラニン色素を多く分泌するようになります。その状態を長年続けているとそのまま色素沈着として固定されてしまいます。

治療方法:Q-スイッチヤグレーザー、 フォトプラスLP560、 ケミカルピーリング
脂漏性角化症
脂漏性角化症は皮膚の老化に伴う隆起性病変でしばしば老人性色素斑と混在します。治療は原則シミと同じですが、盛り上がりが大きい場合は炭酸ガスレーザーで表面を平らに削ります。

治療方法:炭酸ガスレーザーヤグレーザー、 フォトプラスLP560、 ケミカルピーリング
肝斑
肝斑は大きさは様々ですが、成年女性に多く見られる特有のしみで、特に額、頬、口周囲に左右対称に見られ、広範囲におよぶ薄い褐色の色調の色素斑です。原因は妊娠、経口避妊薬、卵巣機能異常等によるエストロゲン、プロゲステロン等の女性ホルモンによるメラニンの産生過剰が原因ではないかと考えられていますが、日焼けはその増悪因子となり得るため、複合的な要因が関与しているものです。

治療方法:肝斑集中コース
(ハイドロキノン処方 +ピーリング+ビタミンC&プラセンタのイオン導入+ソフトレーザー治療)
そばかす
比較的薄い褐色色素斑が顔面の主として鼻、頬にかけて小児期から出現するのが典型的で、やはり紫外線により増悪します。多くは優性遺伝によるものです。

治療方法:フォトプラスLP560、 Q-スイッチヤグレーザー
色素沈着性皮膚炎
接触性皮膚炎はじめ、ニキビ等の様々な炎症後に生じる色素沈着であり、炎症の範囲や程度に応じて様々な色素沈着が見られます。化粧品等の接触性皮膚炎では、眼周囲に強く見られるのが特徴。

治療方法:フォトプラスLP560
トライビーム(Tri-Beam)レーザーについて
tri-beam(トライビーム)は532nmと1064nmの2波長を持ち、1台で色素性病変から美肌再生まで複数の症状に対応できる最新型レーザー治療器です。
シミ、ソバカスは532nm、太田母斑などの深在性色素疾患や刺青、アートメイクの除去は1064nmの波長を使用し治療を行います。
Q-スイッチヤグレーザーを使用した上記の治療は既に一般的ではありますが、 トライビームは、深在性色素疾患に対するより高い治療効果を追及し、肝斑治療の為のトップハット型の精度は保ちつつ、ガウシアン型(エネルギーが中央部分に集中して照射されるレーザー)での高出力照射(※従来機の1.5倍)を可能にしました。

- 浅いしみ・そばかす(表皮近く)には532nm、深い色素沈着(肝斑・あざなど)には1064nm と使い分けることで、幅広いタイプの色素病変に対応できます。
- トライビームは QスイッチYAGレーザーの応用機器で、2波長(532nm と 1064nm)を使い分けて照射できるタイプ。
- 照射後、メラニンが細かく分解され、かさぶたになって自然に剥がれることで、しみが薄くなっていきます。
- また、痛みは「輪ゴムではじいた程度」と表現されることが多く、麻酔なしでも可能なケースが多いという報告もあります。



フォトプラスLP500
LP560は560〜1200nmの広い波長帯を持っています。そのため、メラニン(シミ、ソバカス)、
ヘモグロビン(血管系異常による赤み)のどちらにも効果的に作用します。
皮膚の色調の改善効果に優れ、また、皮膚のキメを整え肌質を向上させます。
IPLによって長年気にしていたシミを解決します。
シミ・小ジワ・毛穴・ハリの衰えなど治療に用いられます。
フォトプラスLP560はダウンタイムがありませんのでそのままお化粧してお帰りになれます。



治療方法
- ジェルを治療部位に塗ります
- フォトプラスLP560を照射
照射時は、フラッシュをたかれたような感覚だけで痛みはほとんどありません。
※照射して数日後にはシミが皮膚の表面に浮き上がり、シミが濃くなったように感じますが、1週間程たつと肌からポロリとはがれます。本格的なフォトプラスLP560治療は全顔に3回照射します。
ほくろ・イボの治療
通常は円形で隆起するものや平面状のものがある。径が1.5cm以上で生下時より存在するものは色素細胞性母斑と呼ばれ、有毛性のものもあります。
治療は隆起しているほくろに対してはまず炭酸ガスレーザーで平坦にし、その後色素に強いQ-スイッチヤグレーザーを用います。 2種類のレーザー機器を使い分けることによって、跡を残さず綺麗にほくろを治療していきます。

肝斑
原因
根本原因はまだ解明されていないため、シミ治療で最も難しいとされています。
主要な発症原因・悪化因子として(相互関係などは不明)
- 女性ホルモン(妊娠・経口避妊薬など)、メラニン細胞刺激ホルモンの増加など内分泌変調
- 紫外線や皮膚への過剰摩擦によるバリア機能の低下
- ストレスや睡眠不足
肝斑のメカニズムと治療

内服薬・外用薬治療
- トラネキサム酸(トランサミン)内服
- ビタミンC(シナールなど)内服/外用
- 色素沈着を直接取り除き、美白効果を促します。抗酸化作用、抗ストレス作用も併せ持ちます。
- ハイドロキノン外用
- メラニンの合成を抑制し、レーザー治療後の二次性色素沈着を抑えます。
- 黒色化したメラニンに直接働き、淡色化する漂白作用もあります。
- ルミキシルクリーム
- トレチノイン(レチン;ビタミンA誘導体)外用
肝斑のレーザー治療(レーバートーニング)とは
Q-スイッチヤグレーザーを弱く照射していくことで、炎症による肝斑の悪化を避けて治療していく。このQ-スイッチヤグレーザーを使用した弱照射治療を「レーザートーニング」と呼びます。トライビームで肝斑治療が可能な理由肝斑治療には一般的にトップハット型と呼ばれるレーザーが使用されます。
これは、従来使用されていたガウシアン型(エネルギーが中央部分に集中して照射されるレーザー)とは違いレーザーを均一に照射することができるため、患部に過度な刺激を与えることなく肝斑治療を行うことが可能です。トライビームのTrue Flat-Top ビームは、非常に均一なトップハット型の波形であり、従来のものと比べレーザー出力の強弱にほとんど差がないため、最適な熱量によって、よりマイルドで安全な治療が行えます。



レーザー照射後のダウンタイム
- レーザー照射後、照射部位は全体的に赤みがでるが、すぐに軽快します。
- しみは少しだけ色調が増すことがあります。
- 1回の治療効果の差がごくわずか(低出力での照射のため、メラニンは少しずつしか除去できないため)です。
回数を重ねていくと明らかな差がでます。効果が実感できるのは平均して4,5回目からとなります。 - 照射した後のメイクは可能。特に指定がない限り、特に処置も必要ありません。
- 照射後は肌が乾燥するので、保湿を十分に行ってください。
- 色素沈着の危険があるため、治療中の日焼け・海水浴は避けてください。
- SPF30・PA++以上の日焼け止め( LC1109など)を使用することをお勧めします。
カウンセリングの流れ
予約をいただいたのち、まずは医療事務兼セラピストや看護師を務める女性スタッフの問診を受けていただきます。患者様が、男性医師にはお悩みを話しづらいと感じられるケースもあるためです。
患者様のご懸念事項やご要望を聴取した上で、女性スタッフ同席のもと、医師より医療的な観点に基づき、最適な治療の必要性およびその内容をご提案いたします。また、特定の治療法をご要望された際には、皮膚の状態や既往歴を詳細に勘案し、医療的な実現可能性、想定される副作用、その他のリスクなどを総合的に加味した上で、最終的な治療方針と具体的な治療法を立案し、診療に臨む所存です。