新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年末に中国・武漢市で確認された「SARS-CoV-2」という新しいタイプのコロナウイルスによって起こる感染症です。発見から短期間で世界中へ広がり、日本でも多くの人が感染し、今でも注意が必要な感染症の一つです。
コロナウイルスって?
コロナウイルスは、もともとヒトや動物の間で広く感染症を引き起こすウイルスのグループです。ヒトに感染する種類は7つ確認されており、そのうち4つは一般的な風邪症状で済む比較的軽いタイプです。
しかし、SARS(重症急性呼吸器症候群)や MERS(中東呼吸器症候群)を引き起こす重症タイプも存在します。その7番目として確認されたのが、現在の流行の原因となっている新型コロナウイルスです。
感染経路
主に次の2つの経路で感染すると考えられています。
飛沫感染
咳・くしゃみ・会話などで飛び散る小さな飛沫を、近くにいる人が吸い込むことで感染します。
そのため、マスクの着用や人との距離を保つことが重要です。
接触感染
感染者が触れたドアノブやつり革などにウイルスが残り、その部分を触った人の手を介して、口・鼻・目の粘膜から感染するケースです。
手洗いや手指消毒が大切になります。
症状について
新型コロナウイルスの潜伏期間は 1〜14日程度 とされ、約5日前後で症状があらわれることが多いとされています。
主な症状
- 発熱
- のどの痛み
- 咳・鼻水
- だるさ
- 嗅覚・味覚の異常
- 頭痛
- 下痢・筋肉痛
感染してもまったく症状が出ない 無症状 のケースもあります。
重症化する場合
一部の方は 呼吸が苦しい・酸素濃度が低下する など重い症状につながることがあります。
さらに悪化すると 呼吸不全 や 多臓器不全 に至り、集中治療が必要になるケースもあります。
治療について
症状の重さに応じて治療内容が変わります。
軽度の症状の場合には対症療法を行う場合が多いです。重症化リスクのある人には口抗ウイルス薬であるラゲブリオやパキロビッドロナプリーブと呼ばれる中和抗体薬が使用されたり、処方されます。
軽症〜中等症
- 発熱や咳などに対する対症療法
- 中和抗体薬(例:ロナプリーブ)
- 経口抗ウイルス薬(例:ラゲブリオ、パキロビッド)
※これらの薬は国の管理下にあり、医師の判断で使用されます。
中等症〜重症
- 抗ウイルス薬(レムデシビル)
- ステロイド薬
- 酸素投与
- 必要に応じて ECMO(体外式膜型人工肺)
重症化リスクが高い方
以下に当てはまる方は、感染した場合に重症化しやすいとされています。

- 高齢者
- 心疾患・糖尿病・慢性呼吸器疾患などの基礎疾患のある方
- 喫煙者
- 肥満の方
これらの方は、特に日常的な感染対策が大切です。
予防方法
日常の中でできる予防策がとても重要です。
- 手洗い・手指消毒をこまめに行う
- マスク着用や咳エチケットを心がける
- 換気をしっかり行い、密閉・密集・密接を避ける
- よく触れる場所(ドアノブ・スイッチ・テーブルなど)は定期的に消毒する