糖尿病とは
糖尿病は生活習慣病のひとつで、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。
糖尿病には大きく分けて 1型糖尿病 と 2型糖尿病 がありますが、いずれもインスリンの働き不足によって発症します。放置すると網膜症・腎症・神経障害といった合併症を引き起こすこともあります。
国内では食生活の欧米化や運動不足により糖尿病患者が増加傾向にあり、特に2型糖尿病は日本人の低肥満でも発症することがあります。世界的にも増加しており、IDF(国際糖尿病連合)の報告では、成人のおよそ10人に1人が糖尿病で、2030年には6億人以上、2045年には7億8千万人以上が罹患すると予測されています。
日本では糖尿病患者は世界で9番目に多く、未診断の方も多いのが現状です。糖尿病による死亡者は世界規模で5秒に1人の割合で発生しています。
原因
糖尿病の主な原因は インスリンの不足や働きの低下 です。
インスリンの働き
インスリンは膵臓(すいぞう)において産生されるホルモンであり、血糖値を降下させ、ブドウ糖を筋組織などへ取り込ませる役割を担います。
I型糖尿病は、インスリンの産生がほぼ停止することにより発症し、II型糖尿病は、インスリンの分泌量あるいは作用効率の低下によって発症する病態であります。
生活習慣
アルコールの過剰摂取は膵臓(すいぞう)に負荷を与え、インスリン分泌能を低下させる要因となります。
さらに、肥満、運動不足、精神的ストレスなども、インスリン抵抗性の原因として作用いたします。俗に「贅沢病」と称される背景には、食生活の不摂生と運動機会の不足が複合的に関与しているためであります。
悪循環
体内に脂肪が過剰に蓄積すると、肝臓および筋組織においても脂肪量が増加し、インスリンの作用効率が低下いたします。初期段階においては、膵臓(すいぞう)がインスリンを過剰に分泌することで代償機能を発揮しますが、長期的には膵臓が疲弊し、さらなる高血糖状態を招来する可能性がございます。
症状
- 1型糖尿病:急激な体重減少、強い倦怠感、のどの渇きなどが現れます。
- 2型糖尿病:症状がほとんどなく進行することが多く、気付かないうちに血糖値が高くなり、目や腎臓の障害、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。
検査・診断
血液検査や経口ブドウ糖負荷試験で診断します。
2型糖尿病は自覚症状がないことも多いため、定期的な検査が重要です。
治療
糖尿病の治療は主に 生活改善・薬物療法・インスリン療法 の3つです。
生活指導
食生活および運動習慣の改善を1〜2か月の期間継続し、血糖値の変動状況を確認いたします。当該対応に効果が認められた場合は、継続的な実施を推奨いたします。
内服薬
インスリンの分泌促進や働きをサポートする薬を使用します。
- SU薬、グリニド薬、DPP-4阻害薬:インスリンの分泌を促す
- ビグアナイド薬、チアゾリジン薬:インスリンの効きを良くする
- α-グルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬:糖の吸収・排出を調整する
GLP-1注射治療
マンジャロを始めとるする注射での治療を行なっております。
インスリン治療
自分の体で十分なインスリンが作れない場合に外部から投与します。血糖値を安定させるために行われます。
注意点
糖尿病治療中は 喫煙・過度な飲酒は避ける ことが大切です。
精神的ストレスの解消は重要事項でありますが、喫煙やアルコール摂取に依存することは、血糖値に対して悪影響を及ぼす可能性がございます。
予防方法
- 1型糖尿病:発症が突発的なため予防は難しいです。
- 2型糖尿病:生活習慣の改善が有効です。
- 食事のバランスを整える
- 適度な運動を継続する
- 健康診断で血糖値を定期チェック
1日だけの努力ではなく、 継続的な生活改善 が糖尿病リスクを下げます。