口唇ヘルペスとは
口唇ヘルペスは、ヘルペスウイルス1型(HSV1)が口腔や口唇の粘膜に感染することにより発症いたします。
血縁者や近親者との接触、食器またはタオルなどを介した伝播経路によって感染が成立することもございます。精神的ストレス、疲労、睡眠不足、紫外線暴露、あるいは感冒(風邪)などによって免疫能が低下した場合、生体内に潜伏していたウイルスが再活動を開始し、症状が顕在化することがあります。
主な症状
ほとんどの方は感染しても症状に気づかないことがあります。
免疫能が低下した際に、口腔周囲や口唇の周辺に微小な水疱(すいほう)やただれが出現し、電撃的な疼痛や違和感を知覚することがございます。
検査・診断
問診と症状の観察だけで診断できることが多いですが、口唇炎などと似ているため判断が難しい場合もあります。その場合は、顕微鏡で特有の細胞変化を確認して診断します。
治療方法
治療には、経口抗ウイルス薬(例:ファムシクロビル、バラシクロビル)を5日間処方いたします。当該薬剤はウイルス増殖抑制作用に基づき、病変出現後の早期に投与することが、症状の軽減および治癒期間の短縮に有効であるとされています。
かさぶたが形成された後においては、効果はあまり期待できません。外用薬(塗り薬)も存在しますが、原則として内服薬(飲み薬)の方が高い効果を実感しやすい傾向にあります。