ミニピルとは
ミニピルは、黄体ホルモン(プロゲスチン)単独を成分とする経口避妊薬です。
一般的な低用量経口避妊薬が卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモンの二種類の成分を含有するのに対し、ミニピルは卵胞ホルモンを含まない点が最大の特性であります。これにより、血栓症を発症するリスクを低減することが可能となります。
ミニピルの特徴
1. 血栓症のリスクが低い
低用量ピルでは、卵胞ホルモンの影響で血栓症のリスクが高まることがあります。
ミニピルは卵胞ホルモンを含まないため、血栓症のリスクを比較的低く保つことができます。
2. 年齢や体質による制限が少ない
喫煙者や40歳以上の女性、高血圧や片頭痛の既往がある方、血栓症リスクが元々高めの方でも、処方できる場合があります。
3. 授乳中でも使用できる場合がある
卵胞ホルモンは母乳に影響を与えることがありますが、ミニピルは母乳分泌への影響が少ないとされ、授乳中の方でも選択肢として使いやすいです。
ミニピルの飲み方
1シートには28錠が入っており、1日1錠を順番通りに服用します。
効果を安定させるため、毎日できるだけ同じ時間に服用することが大切です。
- 初めて内服する場合
月経の第1日目から服用を始め、1日1錠を28日間続けます。 - 他のピルから切り替える場合
切り替え前の錠剤を1シートすべて服用した後、翌日から新しいミニピルを服用します。
低用量ピルとミニピルの違い
| 項目 | 低用量ピル | ミニピル |
|---|---|---|
| 成分 | 卵胞ホルモン+黄体ホルモン | 黄体ホルモンのみ |
| 血栓症リスク | あり | 低い |
| 副作用 | ・血栓症 ・吐き気 ・頭痛 ・乳房の張り ・むくみ | ・不正出血 ・頭痛 ・乳房の張り |
| 服用できない方 | ・血栓症リスク高い方 ・喫煙者 ・40歳以上 ・妊娠・授乳中 ・片頭痛 ・重度の高血圧 など | ・重度の肝疾患・腎機能障害 ・妊娠中 ・乳がん既往・疑い ・原因不明の性器出血 など |